9月26~27日の2日間、中国・上海展覧センターで「アンテルフィリエール上海(INTERFILIERE SHANG HAI)」が開催された。15の国と地域から集まった下着や水着、アクティブウエアの素材メーカーのほか、OEMやODMのメーカーなど約150社が出展して商談が行われた。日本からは旭化成アドバンス、セーレン、ヴィオレッタの3社が参加した。来場者の国別入場者ランキングでは中国、香港に次いで日本は3位、4位は韓国、5位は台湾と続いた。
同展は「パリ国際ランジェリー展(SALON INTERNATIONAL DE LA LINGERIE)」や「アンテルフィリエール パリ」と同じユーロヴェット(EUROVET)の主催。会場内にはコンセプト パリ(CONCEPT PARIS)による2021年春夏のトレンドフォーラムが設けられ、現在のアジア市場に関する数々のセミナーが催された。オーガナイザーであるイベット・フー(Yvette Hu)=ユーロヴェット アジア マネージングディレクターは、来場者が昨年に比べ15%増加したことから「アジアで最もプロフェッショナルで質の高いBtoBのネットワーキングの場であることを証明した」と自信を見せた。
旭化成アドバンスの安本一郎繊維本部インナー・レッグ事業部第1営業部部長(左から2人目)にナチュラル賞のトロフィーが授与された
3月に開催された「アンテルフィリエール 香港」同様、キーワードとなるのは“サステイナビリティー(持続可能)”や“サーキュラリティー(循環)”、“イノベーション(革新)”。主催者も出展社の53%はサステイナブルな製品を展開していることを強調し、サステイナブルな取り組みをするメーカーを紹介する「グリーンビレッジ(THE GREEN VILLEGE)」というコーナーを新設した。革新的な技術で環境保全に貢献することの重要性や、快適でありながらもボディーを美しく整える機能が求められる時代であることを強く印象付けた。
また、同展では“レース”“ナチュラル”“ソリューション・デザイン”“サーフェス・デコレーション”“シェイプウエア”“審査員特別賞”の6つのカテゴリーで、革新的な製品を展開するメーカーに対しアンテルフィリエール賞が授与された。そのうちナチュラル賞を旭化成アドバンスが、ソリューション・デザイン賞をセーレンが受賞し、初日には授賞式が行われた。
旭化成アドバンスの受賞の理由は、本来繊維として使用されないコットンの種のうぶ毛を原料とする再生繊維の「ベンベルグ(BEMBERG)」と、工場内で発生した不使用糸などを原料とするリサイクル型ポリウレタン弾性繊維の「ロイカEF(ROICA EF)」がサステイナブルな素材として高く評価されたため。ベンベルグはその質感と光沢感からヨーロッパで“ビーガンシルク”と呼ばれ、あらためて注目を集めている。
セーレンは、体形補正のための着圧性と通気性を兼ね備えた「ビスコマジック(VISCOMAGIC)」と、高い伸縮性と反動性を持ち切りっぱなしにしてもほつないニット素材の「フレックスムーブ(FLEXMOVE)」という最先端の技術でボディーファッションに進化をもたらし、また同時に意匠性の高さも兼ね備えている点が高評価につながった。